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アルベルト・スギ

あるべるとすぎ/Alberto Sughi
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画家
[1928年10月― ]

イタリアのエミリア・ロマーニャ州フォルリ・チェゼーナ県チェゼーナ生まれ。ローマ市在住。6歳から絵を描き始め、画家である叔父から絵画の基礎と下絵、そして絵画に対する情熱を教えられる。その後は独学で絵画を学んだ。現在の画風が確立したのは、第二次世界大戦後。当時、イタリアでポスト・キュビスムなど、さまざまなスタイルが派生するなか、リアリズムを選択し、1950年代初期から日常生活の瞬間を描写した作品を描き始めた。56年、そのスタイルが「実存主義的リアリズム」と高く評価され、イタリアを代表する画家の一人に数えられるようになる。60年以降、作品はバチカン美術館やボローニャ近代美術館、ブダペスト国立美術館など、国内外の美術館に収蔵される。
一つの主題でいくつもの作品を描くスタイルをとっており、その作品群がまるで映画のような順序になっていることに特徴がある。また、主題は時代ごとに変遷している。1970年から73年までの、人と自然の関係を表現した「緑の絵画」とよばれる作品群があり、75年から76年は「夕食」、80年代初期は「家族の追憶」、85年からは「日暮れまたは反照」、90年代初期には「何処へ」を主題にした作品群がある。2000年から新しい作品群「夜」が始まった。
2006年5月、05年度芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した日本人画家・和田義彦による盗作疑惑がもち上がり、告訴も視野に入れた抗議を行う。しかし文部科学大臣と文化庁長官の連名による謝罪の手紙を受け取ったことで、告訴を見送るという寛大な対応をみせた。この騒動により、日本中に名前を知られるようになった。
ローマ・カドリエンナーレ1992の議長やイタリア現代美術展の協会長を歴任。受賞歴として、2000年にローマ市から授与されたミケランジェロ賞などがある。

関連サイト:

[釣 秀一]
[カルチャー&エンタテインメント]
[2006年7月21日配信]

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